うちの山にはそれは見事な桜の木が玄関脇に4本生えている。
前の山のオーナーが20年ほど前に植えたであろうもので、
家の下に根が張り家が傾くのを支えてくれており、
綺麗なだけではなく、家には欠かせない大事な木でもある。
春のこの時期になると、
夕方作業を早めに切り上げ、私は焚き火を、
ダンナはお酒をいそいそ準備して、
夜桜を堪能するのだ。最高な時間の始まりだ。
バックミュージックにカエルの大合唱を聴きながら
一面に咲く花の雲を眺める。
初桜も、花盛りも、桜吹雪も、いつでも桜は見飽きない。
ダンナと話をしたり、黙っていたり、
お酒を飲んだり団子食べたり。
何時間でもそこにいる。
この無駄なような時間が私たちはとても幸せな時間だ。
よくよく考えると、同じ花が国中で咲き乱れる風景は
珍しいのではないかと思う。
葉っぱがなく、花ばかりの木がほぼ同時期に咲き、
一斉に散りゆく木。
私たちが旅をしているとき訪れたスペインのひまわり畑も、
花は一斉に咲くけれども畑だった。
庭や山などただ鑑賞するためだけに国中あちこちに生えている桜。
日本人に愛されている木だなあと改めて思う。
ダンナは、もしボクたちが外国人旅行者だったら
春の桜に合わせて日本に来たくなる。
そして、そんな場所があるのならこれから旅で行きたいし、
タイムラプスも撮りたいと語る。
確かに私もそんな所があるなら行きたい。
これは旅の目的地がまた一つ増えたねと喜び合う。
桜を見ながらも、世界中で旅をしたときのこと、
そしてこれからの旅のことをよく話し合い、想いを馳せる。
さて、これからどこに行こうかと
桜を見上げながら団子をパクつく。
まだまだ夜は始まったばかりだ。
BS朝日「旅する鈴木-夫婦で世界一周」
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