旅をする時の楽しみの一つが、世界中の古ぼけた雑貨を見て回ることです。
そして、手に入れたものをいつか部屋いっぱいに飾って
「旅の部屋」なるものを作り、
旅の思い出に浸り楽しむのが2人の夢。
先日より開墾が始まった千葉の山。
ここにその「旅の部屋」をいつか作ろうと思い、
まず初めにつけたのがこの「ポスト」
私たちがこのポストと出会ったのは
旅4年目のモロッコの港町エッサウィラでした。
エッサウィラは町中青と白で彩られたフォトジェニックな美しい町。
家の壁は白。扉、船、タクシーなどに使われる青がよく映えます。
海風のおかげで一年中涼しい風が吹いていて心地いい場所。
フランス人の避暑地としても有名なので、そこら中からフランス語が耳に入る。
物価も安く肉も野菜も新鮮。
カニ、イワシ、タコなど新鮮魚介類が毎日港にあがる。
私たちはこの街が気に入り、気づくと4ヶ月程入り浸っていました。
毎日イワシの刺身を食べていたので、
魚の捌き方がグンと上手くなった思い出の街でもあります。
この街で「Sunday Market」という日曜日に開かれる大型市がある。
欲しい物があればこのマーケットに行きなさい
と言われるほど地元の人もよくつかっているらしい。
宿から少し離れていたので、モロッコ人御用達の馬車に乗っていく。
舗装されていない道はガタガタして土埃もブワッと舞うけど、
この体の芯まで響く振動が心地よくつい使ってしまう。
町の外れにくると大きな広場があり、そこに所せましと様々な店がひしめき合っている。
入り口近くはアンティークなどが多く置いてある。
真鍮の蝋燭立て、銀の食器類、コインや大きな家具など
魅力的な物がそこら中にあって、
私達、特にダンナがハマり食い入るように眺めていた。
もう少し奥へ行くと、野菜など靴や洋服や文具類など生活必需品があり、
地元の人で賑わっている。
更に奥の方に歩いていくと、
徐々に商品から遠のいていき、終点の海辺に来ると、
壊れたVHSテープや千切れたベルトなど、
もはや何かわからないものまである。
はじめはゴミ置き場にきたと思っていたのだが、
よく見ると店主がいて店だとわかる。
更に壊れたものとは思えないほど強気なお値段で来るのでびっくりする。
そんなことも含めてこのマーケットは見所が沢山。また行きたい。
そんなカオスなマーケットで購入したポストがこちら。
緑色のペンキは剥げ、所々欠けているが、
どこかキュンと惹かれるアジがある。
誰かの家で長年使っていたのでしょうか。
アラビア語で苗字のようなものと
英語で「Letters」とペンキで描かれていた。
小さいポストだから、家族が少なかったんだろうか。
もしかしてアパートで使ってたのかな、
など、このポストの歴史を想像をするとワクワクします。
これが古いものを買うことの醍醐味でしょうか。
そのポストを見る度、
出会ったときの情景がまるでそこにあるかのように生々しく蘇る。
乾燥した暑く埃まみれの空気、騒音、匂い。
写真よりリアルに感じられるのがモノ。
その時の興奮した心まで思い出す。
それは、今の自分への励みになり、
旅に行けない時でも、一瞬旅にいるかのような感覚にさせてくれる。
次はどんなものを家に置こうかな。
と心躍らせながら今日も頑張って開墾を続けています。
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