今回は旅の途中、イタリアで買ってきた靴のお話です。
2016年の1月、私たちはイタリアに来ていました。
元々イタリアへ旅する予定はなく、
物価の高い西ヨーロッパをサラッと抜けて、
それをわざわざ変更し、ドイツからバスで
それは、ダンナの靴を買うためだった。
イタリアの登山靴「zamberlan(ザンバラン)」
店は東アルプスの麓にあり、親子3代にわたって家族経営で
伝統が継承されているシブい老舗のメーカー。
日本で見かけてからダンナはこの靴の虜。
けれどダンナの欲しい靴は日本になく、
ネットにもヨーロッパの登山洋品店に行っても売ってなかった。
それならいっそのことイタリアの直営店に行って買っちゃおう。
という意見の元やってきた突然の計画です。
さて、行くといってもこのお店はド田舎にあるので、
ヴェネチアからレンタカーでアルプスの麓まで向かう。
人通りの少ない、ちょっと寂れて静かな田舎町を通り過ぎ、
大きな「zamberlan」の看板を掲げた店にやってきた。
さすが工場併設の直営店は品揃えが大大豊富。
ダンナは「ねえ、これかな、それともあれかな」
と店内を嬉しそうにウロウロしている。
更にお値段が日本の半額以下というのだから
それからダンナはzamberlanの靴と共に旅を続けてきた。
灼熱の砂漠、雨の中、街中。
天気のいい日はベランダで愛おしそうに
あれから4年経つが全く壊れる気配はない。
トルコやインドの路上靴磨きで
泣きながら拭き取ったこともある。
そんな傷も汚れも旅を共にしてきたしるしとなり、
これからも、この靴と共に
考えて嬉しくなった春の昼下がり。
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