vol.9 2016/4/5
絶景の思い出  旅するリング番外編

一つ一つののリングに浮かび上がる景色。
そのイメージに「旅する鈴木」の風景写真を重ね合わせた、オーロラグランのブライダルコレクション。

この春の新作の登場に、新たな旅の景色も加わりました。
今回はそれらにまつわる旅のお話、ヨメの聡子さんから届きました。
 目をみはる美しい絶景と心にしみる言葉、合わせてお楽しみください。

   

1.Portugal

夏の終わりのビーチ。風もなく、人もいない、穏やかな日。
宿のオーナーにすすめられた海辺の教会に来てみた。

昼間見る教会は意外に小さく地味だけど、
日が落ちるとともに浮かび上がるシンメトリーの姿は圧巻で、言葉を失うほど魅了された。

もう一度見たくて他の日も行ってみた。けれども二度とこの風景には出会えなかった。
心がいいと感じるその瞬間、過去でも未来でもない。旅も人も風景も一期一会。

2.Slovenia

冬のアルプスのふもと。
はるか昔、愛の女神の聖地と呼ばれた場所に建つ教会は、
鐘を鳴らすと願いが叶うという伝説があり、ヨーロッパ中から人が集まる。

朝の撮影は飲み水が氷になり、リュックに霜が降りる程寒く厳しい所だった。
けれどもその分空気が澄み、凜としていて。

ここで祈る願いはすぅっと大気に溶けて、叶えられそうな。そんな何かがあった。
人の願う心は、目に見えなくても、きっとどこかに届いてる。

3.Chile

憧れのモアイの前で1日過ごしてみた。
雲が流れ、日が沈み、月が昇り、満天の星空になる。
めまぐるしく動く景色の中、モアイのシルエットはいつまでも変わらず、それが妙に安心できた。

野犬や野良馬がきても不思議と怖さを感じなかった。世界は止まることなく廻る。
その中で日々を見守ってくれる不動な存在は安らぎを与えてくれる。
古代の人たちが祈り、築いたものは、時を超え今の私たちにも届く。
思いを込めてできたものはいつまでも色褪せない。

4.Spain

ひまわりを探してレンタカーの旅をした。

中々目的の畑は見つからず、何日もただただひたすら走っていた。
その途中で見つけたまっ白な街や、どこまでも続くみどりの草原。
一年に一度のスーパームーンにも出会え、今でも目を閉じれば色濃く残っているほど。

旅は人生。人生は旅。ただ進むだけより、ふらふら迷い道を進む方が面白いものがぎゅっと詰まってる。
そして目的のものを見つけた時の喜びも何倍にも膨れ上がる。

5.Ethiopia

4000メートルあたりの大地の崖を3日間歩いた。
息もすぐ切れる場所だけど、どこまでも続く豪快な山々の眺めは壮大で素晴らしい。

こんな厳しい所でも、木も草も生え、動物もいて、人も住んでいる。
トレッキングのガードマンたちは山育ちで、息も乱さず私たちの進む道をずっと守ってくれ、
目があうと、ニコッと笑顔で励ましてくれる。とてもたくましく、優しい山の人たち。

人は自然の一部。共に生きることができ、力強さを持っていると、彼らの背中が思い出させてくれた。

旅する鈴木のダンナとヨメの旅はまだまだ続きます。

旅する鈴木

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